「少し動くとなぜか思った通りのボールが出せない 」
こんな悩みを抱えたことはだれしにもあると思う。
後輩に教えていて、打法を教え、さあ実際に三球目をしてみようとなると、どうも安定して入らない。
いつも指摘するポイントとしては以下の三点
・自分の打球点よりもラケットハンド側の肩が内側に来ないようにすること→当てる為に前に振る必要があり安定しない。
・打球点までしっかり待つこと。
・テイクバックをボールが来てからゆっくり引かず、どこに来るかわかっている内はあらかじめ引いて待ってること。
これくらい教えると、要領のいい子はできるのだが、そんな子は超少数。
言われてなんとなくできるが、安定してできる筈もない。
そこで最近プラスして聞くようにしているのが、
「ボールをどう見ている?」
ということ。かなり抽象的だが、「さあ」と答えが返ってくればまず概ね安定しない理由の一つに見え方があると考えるようにしている。
当たり前の話だが、ボールと直線方向に入りその上から覗き込むような見方をすれば、放物線の軌道・高さは理解が難しくなるし、直線に近ければ近いほどボールの距離感覚はその直線方向でしか認識できなくなる。
ボールとの距離を明確に理解するためには、若干横から見た方が軌道はわかりやすいし、垂直方向においてもボールと同じ高さ、もしくはやや下から見た方がわかりやすい。
以前検討したこともあるが、卓球では顎を引くか出すか、という話。
これに関しては4スタンス理論に基づいて顎を引くべき立ち方、顎を出すべき立ち方があるはずと仮説を立てたが、一般に卓球では前重心が良しとされる点を鑑みても顎を出した方が重心に頭部の体重が近づく為安定しやすい。
また顎を引いた際の目線は上から下、顎を出した際の目線は下から上or真正面となることからも前重心の卓球への適正が考えられる。
これらを指導できれば理論上最強の立ち方、待ち方を習得させることができるはず、、、だがそんなん時間が無くて難しい。それに解剖学的に過去に教えたことがあるが、それを実践できたのは研究したフラン氏と私の二人だけだった。
それ故に、股関節を入れて肩のテイクバックを入れた状態から、下から見えるようにあらかじめ待っている。その際、歩幅をやや小さめに設定し、いつでもフォア方向に右足を出せるように待っていることを教える。
体の近くにボールが来たなら、そこから打ちに行く。
もしちょっと遠目だったら、ボールの軌道に合わせて多少右足を出す。
これくらいまで教えると、だいたいの子は「何となく安定する」くらいになる。
だが最近教えていてこれでも入らない子がいた。
ミスの原因の多くは「動きすぎ」
大方ボールが来てから動くから一度動いてしまったら最後、もう微調整の時間が奪われることから起きる症状と推測される。
要は相手のボールを判断するスキルが無いようだった。ボールも自コートを超えた辺りからしか見ていない。
まずは相手のボールを見て大枠のアタリを付けろ、と指導することとした。
最初の面、最初の発射角度から、相手のフォア側から自分のフォア側にボールが来る際、30度刻みで自分のフォア側のゾーンを区切る。
ネットより30度、ミドルより30度、その間の30度ならネットを超えるまでには判断できるから、判断したらすぐに小さく一歩動いてテイクバックを取って待っている。
そこから微調整を右足を動かして行う。
判断がより速くできるなら予め動いてガッツリ待っていてもいいし、より正確にできるなら、いつでもフルスイングできるよう準備できる。
このように「面を見るとか、軌道を見てコース」を読むとか、やれと言われてもやり方を知らないからできないわけで、見方、考え方をざっくり教えてあげる必要があるようだ。
その際具体的過ぎるよりかは、何となくで判断できる何となくの大ざっぱな基準を教え、そこからより細分化した物の見方へと発展させることが重要だろう。
コメント