試合動画フル

随所で話題になっている注目の一戦。
結果は石川のリベンジで終わったが、この試合をあなたはどうみているか。

大方私のブログでは独自の観点から考察しているのもあり、有名なブロガーの見解から外れているかもしれない。
実際有名ブロガーとは卓球を違った観点からとらえようとしている、指導法も明らかに俗なものでなく、理論に準拠し体系的に教えるメソッドを見つけているということからして、一般の見方とは離れているものとして見てもらいたい。

ということで駄文をはじめます。


なんといっても今回注目すべきは、石川のラバーがフォア側、下手したらバック側も変わっている。
テナジー、ファスタークだったのが、ブルスポ、テナジーに。(バックは変わってないかもしれないが)
フォアは明らかに見てわかると思うが、ラリー偏重だった石川のバックに変なミスが多いし、ミスの仕方も変わった為、テナジーでもマイナーチェンジはしてる可能性がある。

そして、用具の変更に伴い、石川の球質は変化に富むものとなって平野を崩した

・・・なんて考察する方は多いのかもしれないが、その程度で平野の卓球は崩れない。
なぜなら、これまで変化に富むはずの中国選手をなぎ倒してきたからだ。
ブルスポ変更に伴い、石川に新たに搭載されたのは変化ではない。
新たに搭載された技術として顕著にみられるのは「一発の威力」と「ストップの短さ」の二点である。

そもそも平野に対して石川は「ラリー負け」はしていない。
ラリーそのものの主導権としては優位に立てているのに、一発を打つ場面で強い一発を打てなかったから、先攻めの設定となっている平野に先に一発を打たれて無理矢理劣勢にされたというのが全日本であり、今回もそうである。
それ故に、打てる場面で抜けるなら、石川はなんてことはなく優勢のままポイントが重ねられる。
また、全日本の場合、石川はレシーブでストップが浮き、かつちょうど打ちやすい長さまで出てしまっていた。
それをぶち抜かれるケースが非常に多かった。
しかし、今回用具の変更に伴い、フォアストップが浮いてるにしても非常に短く出せていた。それ故に次のボールを平野が打てず、繋ぐことを強制され、それもあまりに短すぎるため緩くしか返せず、それを石川が打っていく展開となっているパターンが散見された。

ストップ→強打の流れがあまりに自然に石川の武器となっていた。

しかし、石川のフォア系の技術一つ一つに私は違和感を感じた。
例としてあげるなら
1ゲーム目 2-3 8分38秒
前に振ってる時に当ててネットミス

また、ツッツキが全体的に変に浮いてるのに極端に短い
いつもはかかってるはずのボールが謎にナックルとなる。

これらの事象は大方「用具になれていなく、コントロールできていない」時に起きやすい
世界トッププロで、それも裏裏の選手が意図的にナックルのツッツキなんか出していては、狙われてぶち抜かれるのが必然。
普通ナックル系の変化をつけるならば出るかでないか、もしくはストップ系のはず。
本当は低く短く返したいのに、粘着でもテンション系と同じ打法を石川がしているのを見ると、使い慣れていなくて打法はしらないけど、そのままの打法でやったら打たれないからOK採用くらいの認識なのではないか。

つまりは、世界トップレベルの選手なのに普段取り慣れていない、いわば相当に低レベルなボールがきて平野としては打ちづらかったとみてもいいかもしれない。

また、ボールが変わったことの影響も平野にとって大きかっただろう。
1ゲーム目9-10からのサーブミス
3ゲーム目7-4からのネット連発 
等、アジア選手権では見られない謎のミスを連発。
前に振ってミスってる姿を見ると、ボールの弾み具合や、回転量に慣れていないように見える。



また、石川は展開的にも優位に立つような工夫をしていた。
列挙すれば
・サイド攻め、ミドル攻めから一発を打てるような工夫をラリー中に。
・ストップから浮いたら一発
・粘着で一発の威力の強化
バックストレートは全てサイドスピン付加→これに関してはまさに打法的メタ

平野の傾向と対策を練りました、と言わんがばかり。
しかし、疲労もあるだろう平野としてはメタを張られ、相手は超元気の状況で試合となると流石に厳しいものがあったのかもしれない。


最後に、石川が用具に慣れていないといいきれる根拠を一つ挙げておこう。

同大会決勝にて、えらく石川のレシーブが打ちこまれたのがいい証拠。
普通に考えて手練れの粘着ユーザーであればあんなに浮かすことはしませんよ。
それにフォアに打たれた際のミスの仕方が前に振ってべっちょりミスをしていた。上手い粘着選手のカウンターは前というよりかは上に振る。

ふわっとではあるが、考察をした。

石川があの用具に慣れたら多分平野に勝つことはもう無いと思う。