チャイナ三連勝でアジア制覇してしまいましたね
Ding Ningを倒した時点では凄いなぁ、サーブ長く出してバチバチ打つ高校生男子卓球みたいになってるなぁくらいの印象しかなかったが、Zhu Yuling 戦を見て印象がガラリと変わった
サーブレシーブが強い
アップダウンがよりわかり辛くなった巻き込みサーブ
町田選手を彷彿とさせるようなフォームから以前にもました切れ味鋭い回転量
その次の三球目攻撃の準備も万全だし、ボールも強い
元よりチキータ、ミユータ、フリック、ツッツキ等レシーブの質が高いレシーブお化けだったが、その質が良くなっている
その後の展開も強い
・・・なんて感想は試合を浅くしか見ていない人の印象であろう
私もこの程度でしか見ていなかったが、 チャイナを三連続で倒したということでよくよく試合を見直しました
まず、試合を通して言えるのは、リスキーな技を平然と使うようになったこと。
この表現だと語弊が生まれるのは承知だが、以前にも増して攻撃的な技術を使うことが一般的になった
これまで女子卓球といえばあいちゃん、かすみんであったが、この二人ともに共通して言えるのは速いタイミングで一撃を打つというより、ラリーで展開を作ってから一撃を打つタイプ。
それ故にピッチ打法で早いタイミングで返すことを良しとし、打てるはずのボールも相手が打てないように返して機を伺うことが多かった。
それに対するアンチテーゼとして、というより若手の内は皆そうだと思うが、打てるボールは序盤から打ちにいくのが高校生以下の卓球
みまちゃん、みうちゃん共に先手先手で押し切るいわば「攻めを完遂する卓球」が台頭してきた
最初に頭角を現したのは伊藤
バック表で先に強打し、浮いたボールをフォアスマッシュでぶち抜く
なかなか劇場的な要素のある卓球で対策されてあっさり負ける時もあれば、バカ当たりした際は誰も止められない、そういったイメージのある卓球。
ドライブ系の技術に中国選手と比べて幅があまりなく、ドライブの催促をされてアドを取られる局面も散見されていた。
その一方で、みうちゃんは置きに行くボールがみまちゃんと比べて 多く、打てなさそうなら繋いでしまう場面は過去に多々見られた。
繋ぐといっても、中国選手以外には五分五分の展開を狙える質の高いボールであったが、一度中国選手を相手にしてはより強いボールで返され後手に回ってしまう。
後手を取って負けるイメージを払しょくしたのはご存じ今年の全日本
受けが上手いかすみんに対し、サーブレシーブから攻め、打てるボールを先に上からぶち抜きに行く
無論ミスもあったが、それにしても繋いだら展開は悪くされるといった暴力とも言える押し付けの卓球はかすみんには極めて負担の大きい攻めとなった
そこで自信を持ったのか、みうちゃんの卓球は攻めだるまと言わんがばかりに、先に強打を打ちこむようなスタイルとなった。
ここまでがこれまで私が抱いていたイメージだが、本大会において、みうちゃんは極めて特徴的な技を駆使するようになる。
それは
・ループドライブ
・バックドライブ
である。
いやいや、以前から使っていただろう、というツッコミも来るだろうが、全く質が違う。
見比べても顕著にわかるが、ループドライブの打点がしっかり落ちている。
つまりは回転量の多いボールで、上からカウンターをされにくいボール、中国人的なループになっている。
また、ボールの高さも低く、それでいて深い。
前陣でバックバックで打点勝負をし、浅くなったところを狙う女子卓球に対して刺さる仕様となっている。
バックドライブも以前はより速い打球点でおこしたりカウンターをしていたが、現在はしっかり打点を寄せてから打つ為強打しやすく、ボールの判断にかける時間も長くすることができる
それ故にバックドライブから起こしてラリーをしたとしても、先に強いボールから展開できるため、アドバンテージを掴みやすい。
要はみちゃんの卓球は打点が以前よりも多少後ろになるが体の前であり、女子卓球に対してより男子卓球ばりの対応でいくことを答えとした。
それを顕著に表すのがループドライブからの展開。
準決勝
上の試合でもみうちゃんから起こしてラリーの主導権を握る展開が何度もあった。
見れば見るほど、水谷がシュシンにした展開や、ヨーロッパ選手がよくする展開を彷彿とさせる。
なるほど、ループが強いとおわかりいただけたなら、みうちゃんのレシーブの違和感に気付けたのではないか。
ストップが多用されていることに。
本来女子のストップと言うと、起こすのが下手な人間が使うものではない。
ただ、現在のみうちゃんの起こす技術の高さ、チャンスボールを狙う精度の高さからして、ストップからの展開は非常に有効なものとなっている。
そもそもこんなにレシーブが強い選手がわざわざストップを使うのか、色々いじくった方が得点期待値が高いのではないかと思うし、使う理由を緩急だとか一般的な内容で結論づけたくもなる。
だが、みうちゃんの卓球の根幹にループドライブが加わったことが、ストップを使う選択肢を選ばせる潜在的な理由であると私は考える。
なぜならそれほどにまでループドライブの質が高く得点能力が高いからである。
攻め手としてループドライブという高スタッツの技があるからこそ、ストップをしようと思える。
Ding Ning戦を見てみると、ループドライブを使っていない。
大方対左でフォア対バックの展開になれば回り込まれることはまずないし、身長の低さから上から叩いてラリー展開でアドが取れるというのが研究筋としてあったからと考えられる。
みまちゃんの得意展開をそのままみうちゃんがやった。
作戦転換も容易にこなし、相手のスタイルによって強い戦い方がきちんと存在する。
これはこれからが楽しみだと言うほかない。
「攻めを完遂する卓球」
現在の女子卓球に対する結論をみうちゃんは出したと言っていい。
今後の日本女子卓球に間違いなく先攻めが蔓延する。
そしてループドライブの研究がより一層進むことになるであろう。
ループドライブのタッチ、球質は相当な数存在する。それは男子卓球をしているものならわかるだろう。
今回みうちゃんが見せてくれたループドライブは、水谷の見せたループとタッチが同じものであった。
こうしたタッチをあいちゃん、かすみんがしているのを見た覚えがない。あったとしても世界レベルの中では質が良いものではなかっただろう。
しかし、もしみうちゃんのループドライブが、現在のナショナルチームで指導され、これからはやっていくものだとしたら他の日本選手が国外で無双する姿を見ることが多々あるであろう。
今後とも女子卓球は目を離せない。
とりわけループドライブに注目して。
Ding Ningを倒した時点では凄いなぁ、サーブ長く出してバチバチ打つ高校生男子卓球みたいになってるなぁくらいの印象しかなかったが、Zhu Yuling 戦を見て印象がガラリと変わった
サーブレシーブが強い
アップダウンがよりわかり辛くなった巻き込みサーブ
町田選手を彷彿とさせるようなフォームから以前にもました切れ味鋭い回転量
その次の三球目攻撃の準備も万全だし、ボールも強い
元よりチキータ、ミユータ、フリック、ツッツキ等レシーブの質が高いレシーブお化けだったが、その質が良くなっている
その後の展開も強い
・・・なんて感想は試合を浅くしか見ていない人の印象であろう
私もこの程度でしか見ていなかったが、 チャイナを三連続で倒したということでよくよく試合を見直しました
まず、試合を通して言えるのは、リスキーな技を平然と使うようになったこと。
この表現だと語弊が生まれるのは承知だが、以前にも増して攻撃的な技術を使うことが一般的になった
これまで女子卓球といえばあいちゃん、かすみんであったが、この二人ともに共通して言えるのは速いタイミングで一撃を打つというより、ラリーで展開を作ってから一撃を打つタイプ。
それ故にピッチ打法で早いタイミングで返すことを良しとし、打てるはずのボールも相手が打てないように返して機を伺うことが多かった。
それに対するアンチテーゼとして、というより若手の内は皆そうだと思うが、打てるボールは序盤から打ちにいくのが高校生以下の卓球
みまちゃん、みうちゃん共に先手先手で押し切るいわば「攻めを完遂する卓球」が台頭してきた
最初に頭角を現したのは伊藤
バック表で先に強打し、浮いたボールをフォアスマッシュでぶち抜く
なかなか劇場的な要素のある卓球で対策されてあっさり負ける時もあれば、バカ当たりした際は誰も止められない、そういったイメージのある卓球。
ドライブ系の技術に中国選手と比べて幅があまりなく、ドライブの催促をされてアドを取られる局面も散見されていた。
その一方で、みうちゃんは置きに行くボールがみまちゃんと比べて 多く、打てなさそうなら繋いでしまう場面は過去に多々見られた。
繋ぐといっても、中国選手以外には五分五分の展開を狙える質の高いボールであったが、一度中国選手を相手にしてはより強いボールで返され後手に回ってしまう。
後手を取って負けるイメージを払しょくしたのはご存じ今年の全日本
受けが上手いかすみんに対し、サーブレシーブから攻め、打てるボールを先に上からぶち抜きに行く
無論ミスもあったが、それにしても繋いだら展開は悪くされるといった暴力とも言える押し付けの卓球はかすみんには極めて負担の大きい攻めとなった
そこで自信を持ったのか、みうちゃんの卓球は攻めだるまと言わんがばかりに、先に強打を打ちこむようなスタイルとなった。
ここまでがこれまで私が抱いていたイメージだが、本大会において、みうちゃんは極めて特徴的な技を駆使するようになる。
それは
・ループドライブ
・バックドライブ
である。
いやいや、以前から使っていただろう、というツッコミも来るだろうが、全く質が違う。
見比べても顕著にわかるが、ループドライブの打点がしっかり落ちている。
つまりは回転量の多いボールで、上からカウンターをされにくいボール、中国人的なループになっている。
また、ボールの高さも低く、それでいて深い。
前陣でバックバックで打点勝負をし、浅くなったところを狙う女子卓球に対して刺さる仕様となっている。
バックドライブも以前はより速い打球点でおこしたりカウンターをしていたが、現在はしっかり打点を寄せてから打つ為強打しやすく、ボールの判断にかける時間も長くすることができる
それ故にバックドライブから起こしてラリーをしたとしても、先に強いボールから展開できるため、アドバンテージを掴みやすい。
要はみちゃんの卓球は打点が以前よりも多少後ろになるが体の前であり、女子卓球に対してより男子卓球ばりの対応でいくことを答えとした。
それを顕著に表すのがループドライブからの展開。
準決勝
上の試合でもみうちゃんから起こしてラリーの主導権を握る展開が何度もあった。
見れば見るほど、水谷がシュシンにした展開や、ヨーロッパ選手がよくする展開を彷彿とさせる。
なるほど、ループが強いとおわかりいただけたなら、みうちゃんのレシーブの違和感に気付けたのではないか。
ストップが多用されていることに。
本来女子のストップと言うと、起こすのが下手な人間が使うものではない。
ただ、現在のみうちゃんの起こす技術の高さ、チャンスボールを狙う精度の高さからして、ストップからの展開は非常に有効なものとなっている。
そもそもこんなにレシーブが強い選手がわざわざストップを使うのか、色々いじくった方が得点期待値が高いのではないかと思うし、使う理由を緩急だとか一般的な内容で結論づけたくもなる。
だが、みうちゃんの卓球の根幹にループドライブが加わったことが、ストップを使う選択肢を選ばせる潜在的な理由であると私は考える。
なぜならそれほどにまでループドライブの質が高く得点能力が高いからである。
攻め手としてループドライブという高スタッツの技があるからこそ、ストップをしようと思える。
Ding Ning戦を見てみると、ループドライブを使っていない。
大方対左でフォア対バックの展開になれば回り込まれることはまずないし、身長の低さから上から叩いてラリー展開でアドが取れるというのが研究筋としてあったからと考えられる。
みまちゃんの得意展開をそのままみうちゃんがやった。
作戦転換も容易にこなし、相手のスタイルによって強い戦い方がきちんと存在する。
これはこれからが楽しみだと言うほかない。
「攻めを完遂する卓球」
現在の女子卓球に対する結論をみうちゃんは出したと言っていい。
今後の日本女子卓球に間違いなく先攻めが蔓延する。
そしてループドライブの研究がより一層進むことになるであろう。
ループドライブのタッチ、球質は相当な数存在する。それは男子卓球をしているものならわかるだろう。
今回みうちゃんが見せてくれたループドライブは、水谷の見せたループとタッチが同じものであった。
こうしたタッチをあいちゃん、かすみんがしているのを見た覚えがない。あったとしても世界レベルの中では質が良いものではなかっただろう。
しかし、もしみうちゃんのループドライブが、現在のナショナルチームで指導され、これからはやっていくものだとしたら他の日本選手が国外で無双する姿を見ることが多々あるであろう。
今後とも女子卓球は目を離せない。
とりわけループドライブに注目して。
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